誉田哲也のノーマンズランドを読みました。
姫川玲子シリーズの警察ミステリーでした。
玲子が捜査を担当している事件の容疑者が別の事件で逮捕されました。
玲子はその容疑者の情報を得ようとするのですが、そこには見えない壁のようなものが存在していました。
調べていくうちに通常の刑事事件とは違った闇が広がってきます。
事件の犯人が普通の悪人ではないということがわかってきて物語が面白くなってきます。
いつもどおり面白く読みました。
東野圭吾の透明な螺旋を読みました。
ガリレオシリーズの湯川が登場する物語でした。
戦後に生まれた子供を児童養護施設の前に捨てざるを得ない決断をした母親とその娘そして孫とのかかわりを描いた物語でした。
物語は面白く読みましたが、あっさりとした記述が多くあまり感情移入できなかったのは残念です。
米澤穂信の黒牢城を読みました。
織田信長と同時期に活躍した荒木村重が主人公のミステリーでした。
戦国時代の城の守りとはどのようなものなのか、軍事機密の管理はどうすべきなのか、というような記述とともに城内で発生する事件が語られます。
ただ、konnokとしてはあまり面白く感じませんでした。残念。
近藤史恵のシャルロットのアルバイトを読みました。
シャルロットという名前の大型犬を飼っている夫婦が主人公の日常の謎ミステリー短編集でした。
各短編ではご近所さんとの付き合いや会社の同僚からの依頼などで事件が発生します。
愛犬に対する愛情があふれている物語でした。
konnokは猫は飼っていますが犬は飼わないと思うので、ふーんそういうものなのか、と面白く読みました。
恩田陸のスキマワラシを読みました。
太郎と散多(さんた)の兄弟は早くに両親を亡くして現在は古物商を商っています。
彼ら二人のまわりで、廃ビルに現れる白いワンピースを着て虫取り網を持ち胴乱を提げた少女の目撃談が聞こえてきます。
彼女は「ハナちゃん」を探しているようです。
散多には古いタイルに触れるとその中に溜め込まれていたイメージを見ることができるという霊感があります。
彼ら兄弟と偶然出会ったハナコという名前の女性とがアートフェスティバルのコラボを行う中で物語が展開していきます。
朝井リョウのチア男子!!を読みました。
それぞれに葛藤を抱えている16人の男子が男子だけのチアリーディングチームをつくって練習に励むという物語でした。
初心者が集まったチームなので互いにぶつかり合うこともありますが、コーチの指導の下だんだん形ができてきます。
チームメンバーを信頼して演技を行い、他人を応援するというチアリーディングの素晴らしさが描かれています。
米澤穂信の冬期限定ボンボンショコラ事件を読みました。
小鳩くんと小山内さんの小市民シリーズの最新刊でした。
二人が小山内さんのリクエストでたい焼きを買って食べながら歩いているところに車が突っ込んできます。
小鳩くんは小山内さんを突き飛ばして小山内さんを事故から救いましたが、自分は車にはねられて重症を負ってしまいます。
幸運にも一命をとりとめた小鳩くんはベッドの上で3年前の同じような事件を思い出しながらノートにその事件の経緯を記録していきます。
小山内さんは何度か見舞いに来てくれたようで、メッセージカードとボンボンショコラや狼のぬいぐるみ、ドライフラワーなどをおいていきましたが、小鳩くんは寝ていて小山内さんに会えませんでした。
3年前の事件は犯人が捕まって解決しているのですが、事故当事者の日坂くんは小鳩くんの行動に感謝するどころか恨みを持っているように感じられました。
小鳩くんがなぜ小市民を目指すようになったのかということも含めて面白く読みました。
有川ひろのみとりねこを読みました。
猫への愛情を題材にした7つの短編(うち2編は旅猫リポートの外伝)が収録されています。
気に入った物語はシュレディンガーの猫でした。
自己スキルのすべてを漫画に振ってしまったような漫画家が主人公です。
妻が里帰り出産しているときに、ゴミ捨て場に落ちていた段ボールを開けてしまったため主人公の世界線に確定してしまった子猫。
子猫と長女と漫画家がその妻の目線で暖かく語られていきます。
宮部みゆきのよって件のごとしを読みました。
三島屋変調百物語八之続ということで、この百物語も8巻目となりました。
今巻では3つの物語が語られます。
「賽子と虻」は神様が集まる賭場で仕事をすることになった少年の物語でした。
神様が賭場で賭け事をするための支度や後片付けをする仕事です。
仕事はつらいけど、楽しいこともあって仕事にも慣れてきたところで...
物語が唐突に終わるのが驚きでした。
「よって件のごとし」は池の底でつながっている並行世界が化け物に襲われたため、そちらの住人たちを助けに行く物語でした。
ゾンビのような化け物が人を襲い、襲われた人たちは次々に化け物になってしまうのでした。
勇敢な武士たちが奮戦してそちらの住人を助けながらこちらの世界に逃げてきます。
今巻も面白く読みました。
昔は通勤時に文庫本を持って読んでいたりしたのですが、最近は全く読まなくなりました。
最近、週3回コントラクトブリッジの例会に参加するため電車で移動しているので、読もうと思えば読めるはずなのですが。
そこではたと気がついたのが、電車で無意識のうちにスマフォのひまつぶしアプリでウェブサイトを見ているということです。
かわいい猫のしぐさとか脳トレのマッチ棒計算パズルとか職場であった怖い話とか。
自分の残り時間も少なくなっているのに、こんな時間を無駄にするようなことをしていていいのか、と反省しました。
もう一つ思ったのが、積ん読の本がなんとなく面白くなくて本に手が出ないということもあったことでした。
買った本は読まなければ損だという貧乏性の考えをやめて、自分が読みたい本を買ってきて読めばいいじゃん、と気持ちを切り替えることにしました。
これで読書量がふえてくるといいんだけど。
辻村深月の図書室で暮らしたいを読みました。
辻村深月のいろんなテーマのエッセイ集でした。
図書室で本を読むのが好きな高校生から作家になるまでに考えたこと、子供を保育園に預かってもらうときに考えること、自分の小説についての思い、などなど。
辻村深月の小説は登場人物たちがいきいきとしていると思っていましたが、瑞々しい感性をもって小説を書いているんだな、ということがわかるエッセイ集でした。
ダニエル・キイスのアルジャーノンに花束ををもう一度読みました。
この本は20代の頃に読んで気に入っている物語なのですが、主人公が成長していくときの状況と衰えていくときの状況が両方描かれているので、老境に入ったらまた感じるものがあるのかな、と思っていました。
実際に還暦をすぎて読んでみると人は成長してそして衰えていくという自明のことが書かれていると感じました。
若い頃はチャーリーに感情移入して感動したのでしたが、読み直してみると、みんな同じなんだよな、という静かな諦観を感じました。
アルジャーノンの墓に野の花を捧げに行きたいと思いました。
今年も、面白そうな本を探して読んでいきたいと思います。
そしてなるべく本を選ぶときに参考になるようなコメントを記録していきたいと思います。
退職後は読書量が激減してしまいました。
意識的に本を読む時間を確保しないとこの傾向は続いてしまうと思うので、何か対策を考えたいところです。
どうぞよろしくお願いいたします。