最近読んだ本

ブクログブクログに読んだ本の感想をアップしています。


2018年5月18日

前野ウルド浩太郎のバッタを倒しにアフリカへを読みました。
著者はファーブルにあこがれ、バッタ博士になって心置きなくバッタ研究をしたいというポスドク(博士号を取得したが定職がない)です。 アフリカのモーリタニアに行ってバッタの研究をしようとするのですが、運悪く干ばつの時期と重なってしまい、バッタに出会うことが出来ません。 2年間の派遣期間が終わり、日本からの支援がなくなった後も著者はモーリタニアで研究を続けることにします。 著者の苦闘と状況に似合わない脳天気さが面白い。
アフリカで生活すると言うことがどういうことなのか、という記述も面白く読みました。


2018年5月7日

有川浩の明日の子供たちを読みました。
児童養護施設「あしたの家」を舞台に、世間の人が児童養護施設に対して抱いているイメージとはちょっと違う、職員と子供たちの生活の様子が描かれています。
例えば、いろいろな事情で親と一緒に暮らせない子供たちは、困ったときに親に頼ることが出来ないため、進学も大きなリスクになります。 それでも子供たちは悩みながらも自分の進む道を探していくのでした。
解説で、この小説が書かれることになった経緯が明かされて、なるほどと思ったのでした。


2018年4月20日

宮下奈都の羊と鋼の森を読みました。
主人公の外村は北海道の寒村で育ちましたが、高校生の時にピアノの調律をみて感動し調律師になることを目指します。 調律師の専門学校で学んだ後、北海道に戻って調律師になった外村は、先輩たちやお客様のピアニストなどとの交流から調律の仕事に打ち込んでいくのでした。
特に大きな事件が起きるわけでもない静かな物語ですが、調律に対する外村のひたむきな姿勢に心が温かくなりました。


2018年4月14日

若竹千佐子のおらおらでひとりいぐもを読みました。
東北の方言で語られる物語でした。 主人公の桃子さんは老いて連れ合いも亡くして一人で生活しています。 桃子さんの頭の中には複数の話者がいて、それぞれに会話をしているのでした。
確かに発想は面白いし、うなずけるところもありましたが、物語が回想を主体としているため、ちょっと物足りなく感じました。 たとえ自分自身は年老いても、読む本は若々しく活動する小説がいいなあ、と思ったのでした。


2018年3月18日

重松清の定年ゴジラを読みました。
主人公の山崎さんは私鉄沿線のニュータウンに持ち家を買い銀行員の仕事に明け暮れた後、60歳定年で悠々自適の生活にはいります。 仕事をやめて暇になった時間をもてあましたり、住んでいるニュータウンがゴーストタウン化の兆候を見せたり、定年後に知り合った近所の仲間に不幸があったり、次女の結婚で問題が持ち上がったり、と定年後の山崎さんの生活が描かれています。
ところで、この小説は1998年に書かれているのですが、それから20年後の自分たちは年金の受領開始が65歳になり60歳を過ぎても普通に仕事をしています。 状況の違いにちょっと複雑な気持ちになりました。


2018年2月24日

長野まゆみのいい部屋ありますを読みました。
長野まゆみの小説というと、美男子がたくさん登場してボーイズラブのにおいのする、少女向けコミックのような小説というイメージがあります。 今回の作品もそのような小説に見せかけていますが、ストーリーのほうはちょっとひねりが入っていて面白く読みました。
主人公の鳥貝一弥は希望する大学に合格して下宿先を探しますが、予算に見合うアパートが見つかりません。 大学の学友クラブに顔を出すと、大学には寮があるが入寮審査がきびしいということを聞きます。 しかし、なぜか大学の寮へ案内された鳥貝は個性的な入居者たちに驚きます。 一癖も二癖もある入居者たちは、しかし鳥貝に隠している秘密があったのでした。


2018年1月28日

森絵都の漁師の愛人を読みました。 5つの短編が収録された短編集でした。
既婚者の長尾とつきあっていた紗江は、長尾が勤めていた音楽事務所の倒産を機に漁師に転職してしまったため、長尾について海辺の街に引っ越しました。 長尾の妻から時々なぜかかかってくるとりとめのない電話や、豊漁の時はうれしそうな長尾の様子を見ながら暮らしている紗江ですが、長尾の同僚の妻たちからの悪意のある視線に辟易しています。 長尾が実は妻と連絡を取っていたということを長尾の口から聞いて、紗江は...
震災後をテーマにした物語2つは面白く読みましたが、プリンを題材にした3編は全然面白いと感じませんでした。


2018年1月28日

誉田哲也の増山超能力師事務所を読みました。
超能力の存在が科学的に証明され、超能力を持っている人がその能力を使ってビジネスをしていく時代という設定の物語でした。 増山超能力師事務所の社員や関わる人たちが順番に主人公となって超能力を使ったビジネスが物語られていきます。
サブテーマとして、悪用すれば犯罪も簡単にできてしまう超能力をどのようにコントロールしていくかという仕組みについても考察されています。 超能力を持ってしまった人がそれを普通の社会の中でどのようにコントロールしていくのか、という考察はコンピュータや自動車が発達してしまった現在の自分たちに置き換えて考えることもできるなあ、と思ったのでした。


2018年1月22日

ジャン・ポール・ディディエローランの6時27分発の電車に乗って、僕は本を読むを読みました。
フランスのちょっと変わった人たちの物語でした。 主人公のジャンは不要になった本を廃棄処理する機械を運転する仕事に就いています。 毎日たくさんのトラックがジャンが動かしている機械に本を運んできます。 本は機械の大きなナイフで裁断され、ハンマーでつぶされ、溶解されていきます。
機械の動作音は大きく、内部の清掃作業は危険を伴う作業で、さらに上司はいけ好かないやつということで、ジャンは会社の仕事に満足感を得られていません。
そんなジャンの人生に赤いUSBメモリの形をした他の人の日記が紛れ込んできます。 その日記を読んだジャンは日記を書いた女性を探そうとするのですが...
この本を読んで印象的だったのは、満足感を得られない職場というのは拷問に近いものなのかもしれないということでした。 私がジャンと同じ状況に置かれたら精神を病んでしまうかもしれないと思いました。


2018年1月13日

北村薫の太宰治の辞書を読みました。
空飛ぶ馬をはじめとする「円紫さんと私」シリーズの最新作でした。 以前のシリーズでは「私」は女子大生でしたが、今作では連れ合いもいるし、かわいい子供もいる仕事盛りの女性になりました。
太宰治の女生徒という短編を題材に、その中でロココ調を辞書で引くという記載があることから、この辞書とはどの辞書なのだろうかという疑問を縦糸に、ピエール・ロチや三島由紀夫、そして「生まれてすみません」の話題を横糸に物語は語られていきます。
「私」の20年後の姿が描かれていても女子大生の頃の面影もちゃんと残っているのがうれしい。 同級生の正ちゃんも登場して正ちゃんらしい語りをしてくれるのもうれしい。
後書きで米澤穂信が書いているように「まさか、また読めるとは思わなかった」という驚きとうれしさでいっぱいで読んだのでした。


2018年1月1日

今年も、面白そうな本を探して読んでいきたいと思います。 そしてなるべく本を選ぶときに参考になるようなコメントを記録していきたいと思います。
昨年末から本を読むペースが落ちてきているので、今年はもう少し本を読んでいくようにしたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。




2017年に読んだ本の感想