仙川環のカナリア外来へようこそを読みました。
化学物質過敏症などの他人には理解されにくい症状をテーマにした小説でした。
物語はそのような症例の紹介で終わってしまっているので、ミステリ的なもうひとひねりがほしいと思いました。
西加奈子の漁港の肉子ちゃんを読みました。
キクりんは小学4年生、何人もの男に騙されて苦労している肉子ちゃんと北国の漁港で暮らしています。
肉子ちゃんは太っていて不細工だけど底抜けに明るい、そんなお母さんをキクりんは大好きだけどちょっとはずかしい。
キクりんと小学校の友達、そして漁港の大人たちとの暖かい交流が描かれます。
ところで肉子ちゃんの本当の名前は菊子ちゃん、キクりんは喜久子ちゃん、親子なのに読みが同じなのは変だなあ、と思っていたらちゃんと種明かしされていました。
読んだ後にほっこりする物語でした。
恩田陸の歩道橋シネマを読みました。
恩田陸版「世にも奇妙な物語」短編集でした。
「降っても晴れても」は工事現場の事故に巻き込まれた男性の物語でした。
彼はなぜその時間にその場所を歩いていたのか、短編ながら面白く読みました。
辻村深月の青空と逃げるを読みました。
本条早苗の夫が人気女優と一緒に車に乗っているときに事故が起きてしまい、その後その人気女優が自殺したことから夫は失踪してしまいます。
やくざまがいの追跡者に気づかれないように早苗は小学生の息子の力と逃げていきます。
知り合いを頼ったり、昔訪れた観光地だったり。
最後にたどり着いた地で早苗は熱を出してホテルで寝込んでしまいます。
力が助けを求めた先は...
逃げる旅先で出会う人たちのあたたかさが心にしみる物語でした。
東野圭吾のブラック・ショーマンと名もなき町の殺人を読みました。
真世は健太との結婚準備と仕事に追われて東京で生活しています。
突然、生家に住んでいた父親が殺されたという連絡が入った真世は、コロナが蔓延しているなか故郷に戻ることになります。
真世の父親は教師をしていて真世のクラスも担当していました。
真世のクラスメイトに父親を殺した犯人はいるのか。
そこに永らく音信不通だった父親の弟の武史が現れて兄を殺した犯人を見つけると言いだします。
もとマジシャンだったという武史はいろいろなテクニックを使って犯人をあぶりだしていきます。
人が考えることの裏をかくテクニックが満載で面白く読みました。
辻村深月の琥珀の夏を読みました。
弁護士の近藤法子はクライアントから「ミライの学校」に関する依頼を受けます。
「ミライの学校」では児童の白骨死体が発見されて問題が起こっていたのですが、法子は子供のころ「ミライの学校」に参加したことがあり、事件の真相を知りたいと思ったのでした。
夏に1週間だけ参加した法子にはミカやシゲルという友達ができて楽しい思い出があったのでした。
冒頭で登場する「ミライの学校」の田中がだれなのか明かされたときはちょっと衝撃的でしたが、その後の展開は心温まるものでした。
ミカが本当の意味で過去と向き合うことができたように描かれているのがうれしい。
今年も、面白そうな本を探して読んでいきたいと思います。
そしてなるべく本を選ぶときに参考になるようなコメントを記録していきたいと思います。
このところ読書量が激減しています。
意識的に本を読む時間を確保しないとこの傾向は続いてしまうと思うので、何か対策を考えたいところです。
どうぞよろしくお願いいたします。